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施政方針(令和2年度)

新たな時代の幕開けとなりました令和元年度は、長野原町におきましても、新しい時代を切り拓く「挑戦」の年と位置付け、「もっと前へ」というスローガンのもと、あらゆる事業を進めて参りました。昨年は長野原町が誕生し130周年という記念すべき年を迎え、今年は長きにわたり、あまたの関係者が力を注いできた八ッ場ダムが完成いたします。このように大きな節目を迎えた長野原町は、令和2年度を新たなスタートの年と位置付け、「人や地域をつなぐ」「人を育てる」、この2つを大きなテーマに掲げ、町民の皆様とともに「もっと前へ」進めていく所存でございます。私が町長就任当初から、声を挙げ続けてきた「オールながのはら」のスローガンが、いつしか町民の声になって参りました。その「オールながのはら」の精神のもと、「明るく活力のある町づくり」を実現するために令和2年度の予算を編成し、予算総額を50億5381万7千円とさせて頂きました。令和2年度は、「生きる力を育む町」を根付かせる考え方とSDGsの考え方を基に、私の町政に対する所信の一端を述べさせて頂きます。

つなぐ1

私は、ここ数年、長野原町の長年の課題としてあげられる「地域のつながりの希薄化を解消すること」「若者や女性の参画を通じた人材育成」、この2点について着眼してきました。これまで異業種交流や地域間交流などの意見交換や、ワークショップなどを開催してきましたが、なかなか成果が得られませんでした。そこで、町長である私が先頭に立ち、「人や地域をつなぐ」「人を育てる」ことを目標に掲げ、住民主体で行う地域づくりや観光振興の活動を支援する新たな組織として、「つなぐカンパニーながのはら」を立ち上げることと致しました。令和2年度には、この任意団体を法人として登記をし、長野原町の持続可能な発展と地域価値の向上に寄与する団体に成長させていく所存であります。
令和2年度は、女性がもっと輝き、活躍できる町を目指していきたいという考えのもと、この新組織の重要なポストである副会長を女性に担って頂くことになりました。また、令和2年度には、教育委員にも女性を起用する予定です。長野原町の長い歴史の中でも女性の教育委員は、初めてのことであります。
いずれにしても、これからの長野原町には、地域づくりを自分のこととして考えることの出来る人材を一人でも多く育てていくことが、大きなポイントであり、まさに生きる力を育むことであります。

つなぐ2

令和2年度末に八ッ場ダム本体が完成し、運用開始となる予定ですが、生活再建事業を含む22事業が、令和2年度に延伸することになりました。
八ッ場ダム関連事業の最終年度である令和2年度に、すべての事業をしっかりとまとめあげ、完成した施設やインフラを次世代につないでいくこと、そして、それぞれの地区や施設をつなぎ、八ッ場あがつま湖周辺を盛り上げていくことが、私に課せられた最大の責務であります。そればかりか、八ッ場から浅間まですべての地域をつなぎ、更には草津町、東吾妻町、嬬恋村、軽井沢町の近隣町村とも連携協力して、旅行者にとって心地良い空間を築き上げていくことが必要であります。嬬恋村との共同で取り組んでいる浅間山北鹿ジオパークに関しては、令和2年度が再審査の重要な年であります。細心の準備で臨み、これからもジオパークの町として魅力の発信に努めて参ります。
そのジオパーク最大の拠点となる「やんば天明泥流ミュージアム」が、令和2年度中に完成します。八ッ場ダム事業において出土された埋蔵文化財を展示するとともに、浅間の噴火を背景に、浅間と八ッ場をつなぐ施設となっており、教育の場としても期待の出来る施設であります。
また、群馬県の市町村や住民が、一体となって取り組む国内最大規模の観光キャンペーンである群馬デスティネーションキャンペーンが、今年4月から6月までの間開催されます。長野原町の素晴らしさをピーアール出来る千載一遇のチャンスであり、この群馬DCを契機に長野原町も、官民がしっかりと手をつなぎ、観光資源を見つめ直すことにより、ながのはら愛を掘り起こし、新たな観光戦略とともに、生きる力を育んでいきたいと考えております。

つなぐ3

今年度は、与喜屋地区の総合運動場テニスコートを、スポーツ振興くじ助成金を利用して、全面オムニコートに改修することに致しました。その他にも八ッ場あがつま湖には、水陸両用バスや観光船が遊覧し、カヌーやカヤックを楽しめる湖になります。また、川原湯温泉駅に隣接する広い敷地には、キャンプやバーベキュー、温泉を楽しむことの出来るレジャー施設が、今年の初夏までに完成する予定です。また、八ッ場ダムを使ったインフラツーリズムも予定されており、多くの子ども達がおもいっきり楽しめる町になって参ります。八ッ場ダム事業により、長年お世話になってきた下流都県とのつながりを活かし、「水の大切さ」「水の怖さ」について、八ッ場の歴史とともに勉強することを目的とした子ども達との交流を確立し、多くの子ども達が訪れる町を目指していきたいと考えております。
昨年の1月より私が委員長を務め、学校統合問題検討委員会を立ち上げました。アンケートの実施とともに計6回の検討をかさね、小学校は4校を2校へ、中学校は2校を1校とすることが望ましいという方針を出し、学校統合問題審議会の席において、諮問した通りの答申を頂き、決定致しました。今後、学校統合準備会や部会を重ね、まずは中央小と第一小を統合し、令和3年度からスムーズにスタート出来るよう準備を進めて参ります。学校統合以外にも、教育に関する課題や問題は山積しております。本町の子ども達の健やかな成長と学校教育の充実、教育環境の整備・向上を常に念頭に置き、更には町外や下流都県の子ども達とのつながりも視野に入れ、質の高い教育を、すべてに提供出来るように努める所存であります。今を生きる子ども達が生きる力を育むこと、それが強い長野原町をつくる源になることは、私が言うまでもありません。

つなぐ4

「高齢者や交通弱者の足をなんとかしてくれ!」という声が、年々大きくなっていることを肌で感じております。昨年は、新たな事業として移動販売事業を開始致しました。高い評価を頂くこともありますが、地区によっては課題もあることがわかってきました。
10年続けてきた福祉バスや、平成29年度からスタートした外出支援バスも、もう一度町民の皆様の声をしっかりと受け止め、ニーズに合ったサービスになるよう再検討する必要があります。高齢者・障害者温泉入浴事業に関しては、一昨年の拡充により好評を頂いており、年間延べ7千人を超える利用者を見込んでおります。昨年から町の職員を出向させることにより、社会福祉協議会との連携も強化し、痒いところに手が届く高齢者福祉を目指すべきであると、思いを新たにしておるところであります。
お母さんの心と体の休息時間をつくれる場所を提供する産後ケア事業は、今後も拡充していく予定であり、令和2年度からは、赤ちゃんとお母さんを対象として、遊びの提供やお母さん同士の交流を目的とした、乳幼児子育て支援教室(のびのび広場)をスタートさせることに致しました。吾妻医療圏において、分娩できる医療機関が全くないという危機的な状況にある中、長野原町で子どもを産み、育てていくお母さん方へ、いかに安心を提供していくことが出来るかを考えていくことが、我々に課せられた課題であります。
障害福祉事業所やまどりの新たな指定管理者として選定された、社会福祉法人チャレンジドライフにより、令和2年度より新たなスタートを切ることになりましたが、それと同時に知的障害者相談員を配置することが叶いました。これまで西吾妻には、一人も相談員がいなかったことを考えますと、大きな一歩を踏み出すことが出来たと捉えております。
いずれにしても、あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進することが、生きる力を育む近道であると私は考えます。

つなぐ5

昨年の台風19号の影響により、当町でも道路や河川、家屋等に甚大な被害を受けました。全町に避難勧告を発令したのは、町の歴史の中でも初めてのことでしたが、各地区の行動はまちまちでありました。この台風は、大きな被害とともに課題と教訓も我々にもたらしたわけであります。被害額にして5億円を超える大きなものでしたが、生活に関わる道路や橋梁の災害復旧は、喫緊の課題として地元建設業者との連携により、早急に行って参ります。観光拠点である浅間大滝や魚止めの滝等も、応急措置を行っていく予定です。ハード面だけでなくソフト面においても、土砂災害のハザードマップ等を作成することと並行して、羽根尾地区や長野原地区で行っている自主避難計画の策定や避難訓練の実施を、他地区にも広げていきたいと考えております。また、令和2年度中に防災行政無線のデジタル化も完了させ、防災体制の改善を図るとともに、通信ニーズに対応するためにもフレキシブルかつスピーディーな発信に心がけて参ります。
近年の気象変動や、その影響を軽減するためにも、我々一人一人が環境に配慮し、意識を高め、そして「自助」「共助」「公助」の更なる充実が求められるようになってきました。そこで町では、令和2年度に町の温室効果ガスの排出抑制推進を目的とし、地球温暖化防止対策を狙いとする取り組みの実施に向けた計画を策定すると共に、インフラ長寿命化計画に基づき、必要性が認められる公共施設を設定し、中長期的にコストの見直し等を立てる個別施設計画を策定して参ります。
更には、強さとしなやかさを備えた地域経済社会の構築に向け、2年をかけて長野原町の国土強靭化地域計画を策定して参ります。気候変動や環境の変化に大きく左右されてしまう農業は、長年長野原町を支えてきた産業であります。日本の農業は、多くの危機に直面しており、高齢化と担い手不足が悲痛の叫びとなっております。しかし、当町の農業は、酪農家も野菜農家も、若手担い手がとても頑張っており、基幹産業として地域を支えています。ここ数年経営的にも良い状態が続いておりますが、情勢の変化により乳価が暴落したり、自然災害が続いたりした途端に、状況が激変する可能性を秘めているわけであります。農地の集約や技術革新は施策として重要なことですが、長野原町の農業をどう守っていくかという視点を忘れてはなりません。町行政や議会、そして農家の皆さんと地域も含めて長野原町の農業のあり方を、真剣に考える必要があります。
令和2年度は、生きる力を育むために、建設業や農業をはじめ、あらゆる産業の皆さんと、改めて向き合う年にしたいと考えております。

むすびに

令和2年度スタートの日(4月1日)に、東京オリンピックの聖火リレーが完成を迎えたばかりの八ッ場あがつま湖の湖畔を走り抜けます。湯かけ広場で行われるセレブレーションでは、長野原町の子ども達が2020応援ソング「パプリカ」の曲にあわせて楽しく踊ってもらう予定です。この「パプリカ」の応援プロジェクトのテーマのように、長野原町もできるだけ多くの方々とつながり、みんなで未来の夢を描き、みんなでその夢を応援していく、そのような町を築くことが出来るように、令和2年度も全力で取り組んでいく覚悟でございますので、議員の皆様をはじめ、町民の皆様の更なるお力添えを賜りますよう心からお願い申し上げ、令和2年度に向けての施政方針とさせて頂きます。

長野原町長 萩原睦男

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