町教育委員会では、令和6年9月4日(水曜日)、私たちの町に受け継がれて伝えられてきた文化財を広い意味で“長野原町のたからもの”と題し、今後守り伝えていきたいと思う“たからもの”を見つけ、町の次の世代に守り伝えていくためのアイデアを考えるワークショップを開催しました。
ワークショップの目的
文化財保存活用地域計画を作成するにあたって、地域に暮らす人々が大切にしていきたいものは何か、町の歴史文化を感じさせるものがどのくらい残っているのか、参加者とともに話し合って深掘りしていくことが目的です。
ワークショップの内容
文化財保存活用地域計画の概要、目的、町の歴史文化の特徴を知り、地域で守り残したい歴史文化や文化財(=町のたからもの)を、グループディスカッションを通して見つけてもらいました。そして、「町のたからもの」をどのようにしたら次の世代に繋いでいけるのか、そのアイデアを考えてもらいました。
ワークショップの結果
参加者数
計16名(一般公募)
実施内容
文化財保存活用地域計画ってなに?
現在作成している文化財保存活用地域計画の概要と町の歴史文化について、町の文化財担当から解説をしました。
グループディスカッション(1)「町のたからものを見つけよう!」
A、B、Cの3つのグループに分かれて、次の世代に残したい“町のたからもの”を付箋に書き出して、カテゴリごとに模造紙に振り分けました。“町のたからもの”を思いつくに至った経緯等もエピソードとして書き出しました。グループ発表でグループごとの成果を共有しました。
グループディスカッション(2)「町のたからものを次の世代に伝えていくために」
A、B、Cの3つのグループごとに、グループディスカッション(1)で共有した“町のたからもの”を次の世代に守り伝えていくためのアイデアを出しあってもらいました。グループ発表でグループごとの成果を共有しました。
ワークショップの成果
主な“町のたからもの”
グループディスカッション(1)の成果として、89件の“町のたからもの”が集まりました。ここでは、主なものを紹介します。
名称 | エピソード |
八ッ場ダム | ダムで国に惑わされたと感じている。 |
八ッ場ダムの歴史(闘争や水没地区など) | ダム建設の歴史はいろいろあったので忘れてはならないと思う。ダムに沈んだ歴史や長野原町かるたで描かれた歴史など、失った記録を残すべきと思う。 |
狩宿神社・狩宿本陣 | 移住してきて狩宿神社を見つけ、また、狩宿に本陣があって驚いたことが印象強い。 |
カラマツの黄葉 | 標高の高い地域らしい自然風景だから。 |
盆踊り | 各地域に残っていて、子どもが担い手なので、残って欲しい。 |
うだつ | 羽根尾地区など、特徴的な宿場景観だから。 |
廃校の校歌 | 歌い残したいけど忘れ去られてしまうように感じる。 |
林のカタクリ群生地 | 作業する人の人数が少なく、手入れが行き届かなくなっているから。 |
羽根尾獅子舞 | 子どもが少なく、継承が難しいと感じる。 |
丸岩 | 町外から長野原に帰ってきた時に安心する風景だから。 |
町内の民俗芸能 | 町の貴重な民俗芸能なのでなるべく伝承していってほしい。 |
酪農、高原野菜、草軽電鉄跡、天丸山、満蒙開拓碑、浅間園、川原湯温泉湯かけ祭り、衣掛石、赤羽根の一里松、吾妻峡、道祖神、応桑地区の流れ山、小正月のツクリモノ、どんど焼きの行事、長野原東中の校歌、天明泥流の記録、天明桜の記録、大学村の文化、温泉、狩宿湧水、川原湯音頭、長野原音頭、応桑へそ音頭、北軽井沢音頭、萩原秋水の絵画、三原郷三十四番札所、羽根尾城跡、浅間火山レース跡、吾妻線etc
下記写真のように、グループごとに“町のたからもの”を集めました。
“町のたからもの”を守り伝えていくアイデア(主なもの)
グループディスカッション(2)の成果として、下記のようなアイデアが10件程度集まりました。ここでは、主なものを紹介します。
・学校教育の一環で、文化財を知るための活動。
・地域ぐるみで文化財を保護、活用する活動。
・町内だけでなく、町外にも声をかけて文化財関係のガイドの養成。
・長野原町かるたの活用。
・マスメディアを使ったアピール。
関連企画
文化財の絵画ポスター「みんなで描こう! 長野原の“たからもの”」
町内外の小学生に募集し、町に残したい“たからもの”をポスターに描いてもらいました。作品は本ワークショップの会場と、ワークショップ後一か月間にわたり、町住民総合センターで展示しました。
詳細は関連情報のリンクからご覧ください。
今後の取り組み
今回のワークショップで、大変多くの“町のたからもの”やそれらを守り伝えていくアイデアが町民や町外住民の意見として集まりました。今後は、文化財保存活用地域計画の策定に向けて、ワークショップの成果を生かしていきます。